本屋さんで買った。
配偶者との性行為が異常、近親相姦と言われる世界で、配偶者とは性行為をせず浮気宛の恋人や二次元のアニメキャラの恋人を作り、自慰行為によって性欲を発散させる世界。
妊娠も肉体関係を持たず、人工授精で子供を作るのが当たり前な世界。
一番共感したのは浮気相手の恋人の水人に肉体関係を拒まれるシーン。女性がそういうことしたくても男性が限界を迎えて嫌がるシーン。
ここは分かるな~。何か相手の気持ちに寄り添わないとそういう事も拒否られるんだよね~。主人公がしたくても断れる、振られるってのは分かるなぁ。
そんな中で、人工授精で皆で赤ちゃんを育てる実験開発都市、エデンの舞台になった千葉へ移住する主人公と旦那。
そのエデンでは年に一度12/24に一斉に女性も男性も人工授精を受け、赤ちゃんを妊娠する。男性でも人工子宮があるため、妊娠可能な世界なのだ。
そこで人工授精に成功した旦那は人工子宮で赤ちゃんを出産する。主人公は流産してしまい、鬱状態になるが、旦那は脳内お花畑になり、無神経な言動が増えるし、妊娠に成功した妊夫をちやほやする周りの「おかあさん」に嫌気が差してくる主人公。
まぁこの辺りで主人公はエデンから見た「あっちの世界」(元の世界)に帰るべきだったと思う。
そして、ついに旦那が出産するとすぐ赤ちゃんは赤ちゃんセンターに預けられ会えないし、旦那は世界初人工子宮で出産成功した男性として研究会や講演会にひっぱりだこで、ここで縁が切れる。
で、結局元の世界からエデンに遊びに来た老母を旦那が住んでいたマンションの一室に監禁し、最後はみんなの赤ちゃんとして育てられた青年を自宅マンションに招き入れ、禁断の近親相姦の肉体関係を結ぶ・・・。
監禁された老母が不憫だったけど・・・。
それにしても何か希望のない世界がエデンなんだなぁと思った。
効率的だけど愛情も無いし、家族の絆もない。
クリーンルームで性欲も解消され恋もときめきもない真っ白な清潔すぎる世界。
エデンとあっちの世界どちらがマシ?と聞かれるとまだあっちの世界かな。
やっぱりみんな性欲って大なり小なりあるんだよねーって読んでて思った。私も趣味でTLやBL小説書いたり買って読んだりするけど、性欲って人間に当然あっていいものなんだよなぁとしみじみ思った。
現代ではどこか性欲って持っちゃいけないもの、いつも凛々しく理性的であれって雰囲気だけど。コロナ禍の時は特に人と近づいちゃダメな世界だったからねぇ・・・。その圧は強かったし。勿論犯罪行為はもちのろんのことダメゼッタイなことだけどさ。
性欲って普通に持ってて別に変なものじゃないんだよなと改めて認識した。
