詩的夢幻

読み終わった本の読書感想を書いています。

おひとりさま日和

 

離職中なので毎日の暇つぶしに購入。

リクと暮らせば、永遠語り、サードライフが特に面白かった。

「リクと暮らせば」(大崎梢先生)は、一人暮らしの老婆がボディーガード犬、リクをレンタルし、強盗除けとして一緒に暮らす話。老婆の心情がすごく細かく描かれていて、臨場感があった。私は犬が好きだから、愛犬を買ってた頃の事を思い出してほっこりした。やっぱ、犬良いよ。

 

「永遠語り」(坂井希久子先生)は、夏祭りの儚い楽しさとかが見事に再現されてて幻想的な話で良かった。なかなかこういう風に夏祭りを表現できないよね。文章表現が良かった。自分も趣味で小説書いてるけどこういう独創的な世界観って難しいよ。

 

「サードライフ」(新津きよみ先生)は、田舎暮らしを夢見て地方に移住したものの、旦那さんが急に倒れて亡くなり、ペーパードライバーの主人公が奮起して田舎暮らしに適応していく話。途中、未来の孫の世話係兼資金援助の為、都会に住む共働き娘夫婦との同居の話が出るが、これがまたリアル。保育園に入れないからお母さんに面倒見させようとか、年金が入るからお金も助かるとか…。でもその割には所帯じみた料理が不味いと娘の旦那に陰口をたたかれるとかもリアルだし。その話を耳にして都会を脱出し、地方に逃げ帰るのもまたリアルで面白かった。

逃げた方が良いよなぁって読んでて思うことばかり。

田舎暮らしに適応し、娘夫婦から逃れる主人公が清々しくて良かった。