詩的夢幻

読み終わった本の読書感想を書いています。

私たちの特別な一日

漂白の道、(島津 輝)と祀りの生き物(高山羽根子)が良かった。

漂白の道は、親戚の訳ありの美女、カナさんと主人公希和子との交流の物語。身内や親族のお通夜に顔を合わせるうちにカナさんと仲良くなっていく。何年か、十数年に一度顔を合わせてゆっくり仲良くなっていくからすごいゆっくりとした交流なんだよね。なんかそのゆっくりさがゆったりとしていて良かった。

 

祀りの生き物は、主人公が神社の夏祭りに買ってきた南洋の妖精の思い出から亡くなった祖母の生前の様子を思い出す物語。これがすごく良かった。幻想的な夏祭りの風景が頭に思い浮かぶような描写も素晴らしく、謎めいた南洋の妖精の正体や消息も分からずあいまいに終わっていく感じ。すごく良かった!!